ラブゲリオ(一般名:モルヌピラビル)

新型コルナウイルス感染症の経口治療薬 「ラゲブリオ 」に関して  

「ラゲブリオ 」 は,厚生労働省により,その使用が,2021/12/24に認可されました。

院内処方を行うための,様々な手続きが完了(2021/12/25 13:00)。

この様に,さくらクリニック内の「院内処方」で「ラゲブリオ」 を処方することが,近日中に可能となります。

「ラゲブリオ」 は,国が直接,さくらクリニックに配布してくれますが,現時点では, 院内に在庫はございません。

処方可能になりましたら,ホームページのこの部分に掲載します。

「ラゲブリオ」 には,催奇形性や,他の副作用があることは,おそらく確かなようですので,インフルエンザの「タミフル」の様に,大多数の患者さんに処方することは出来ません。

「ラゲブリオ 」 を,コロナ版の「タミフル」みたいな薬剤と考えること難しい。

作用機序も, 「タミフル」 の様に,ウイルス表面から突出するノイラミニダーゼを阻害するというような単純な機序ではなく,遺伝子情報の伝達機構を阻害することが,その主たる作用機序です。

従いまして,十分に検討の上,処方致しますので,中には,処方できない方もおられると予測しております。了承頂くよう御願いします。

「オミクロン株」など変異ウイルスにも効果があるとされ、期待されています。

🚑💋⌚当初,入院や死亡のリスクを減らす効果は50%とされていましたが,実際には 30%に下方修正され,医療関係者の間からは,期待外れとの声も聞かれます。しかし, リスクを減らす効果が30%あれば,試みる価値はあると思わ様にも思われます。従って,さくらクリニックでも,その導入の準備を致しました。

モルヌピラビル の利点: モルヌピラビルは、RNAポリメラーゼを阻害することで、ウイルスの複製を妨害する作用を発揮します。従って,理論上の話となりますが,オミクロン株の様に,多数の突然変異が存在しようが,しまいが, ウイルスの複製を妨害する作用 に変わりはありません。

🍕⌚🚎コロナウイルスワクチンは,ウイルス表面に存在する突起(タンパク質が主体)を形成する様に設計された(コード化された)mRNAを,ミセル化ナノ粒子に守られた状態で,筋肉内部に注射します。その結果,人の体内で突起を構成するタンパク質を作成し,それにより,免疫力(液性免疫および細胞性免疫)を誘導する様に設計されています。

従って,今までに存在しなかった新しい突起 (タンパク質が主体) が,ウイルスの突然変異で出現すれば, 新しい突起 をコードする別の mRNAを作成し,それをミセル化ナノ粒子に守られた状態 で筋肉内部に注射しなくてはなりません。

変面倒な作業が必要となります

😎🤗🍳それでは, モルヌピラビル に問題はないのでしょうか??

実は,添付文書にも,大きく書かれているように,「妊婦または妊娠している可能性のある女性には禁忌」とされています。

実際, モルヌピラビル の治験を行った際には,治験対象者に対して,性交渉を控える,ないしは,完璧な避妊を行うように指導がなされています。そして,治験終了後も,しばらくの間,この規則を守るように要求しています。

すなわち,催奇形性に関しては,十分な可能性があると言うことです。

また,新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)は,ウイルスの分類上,1本鎖RNAウイルス[プラス鎖]として分類されています。すなわち,ウイルスのRNAそのものが鋳型となり,自分のRNAを作り出します。すなわち,ウイルスを複製します。

その際には,ウイルスが自らのRNAで,RNA依存性RNAポリメラーゼを作りだし (プラス鎖の意味) ,それを利用して自己複製をする様に設計されています。

モルヌピラビル はこの,コロナウイルスが自ら製造した RNA依存性RNAポリメラーゼ を阻害することになっています。

ところが,人間を含む一部の生物は,3種類の RNAポリメラーゼ を有しています。これらは,人間の生命を保つのに,必須な酵素です。 モルヌピラビル が, 新型コロナウイルス(SARS-Cov-2) のRNA依存性RNAポリメラーゼだけを阻害し, 人間が有する3種類の RNAポリメラーゼ には全く影響を及ぼさないかと言うと,疑問です。(もちろん, RNA依存性RNAポリメラーゼ と,人間の RNAポリメラーゼ は,違うと言えば,違うのですが,似ていると言えば似ています。

私は,分子生物学の専門家ではありませんから,上記は,若干,間違った推察なのかもしれません。しかし,病理医として長年遺伝子病理診断に携わって参りました。下がって,絶えず癌遺伝子を中心とした分子生物学を絶えず勉強し,また,その関係の書物を,常時,座右に置いて過ごしてきました。従って,上記の私の心配が,全く的を得ていないと言うこともなかろうかと思います。

「モノヌラビル」 の院内処方を導入した一方,大きな不安も感じている状況にあります。

インフルエンザ薬のタミフルのように,気軽く処方できる薬ではないと考えています。