妊娠希望者への風疹ワクチン接種

妊娠初期において,風疹に罹患すると,先天性風疹症候群が生ずる可能性があることは,周知の事実です。従って,妊娠を希望する女性は,十分な風疹ウイルスに対する抗体価(HI法で36倍以上)を有していることが望まれます。また,妊婦の周囲の人々(夫や同居している家族等)が,十分な抗体価を(HI法で18倍以上)を有していることが強く望まれます。

💖妊娠を希望する女性 or 妊娠状態の女性(妊婦):HI法で36倍以上

💖夫や,同居する家族等:HI法で18倍以上

ところで,厚生労働省の下記のホームページには次の様な記載があります。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11921000-Kodomokateikyoku-Soumuka/13.pdf

厚生労働省のホームページ(上記)の記載: 1回の予防接種で約95%の方が免疫を獲得します。また,2回の予防接種を受けることにより,免疫を獲得することがより確実(99%)になります(厚生労働省:平成26年2月)。

しかしながら,上記の95%とか,99%と言う数字は,実際のワクチン接種に携わっている医師からすると,少々,現実とは異なっている様な印章を受けます。

また,風疹予防接種(実際にはMRワクチンを用いる)1回にかかる費用は,自由診療ですので(予防に保険診療は適用されない),またMRワクチンの原価自体が高価なため,10,000円(一万円)前後の費用がかかります(さくらクリニックでは,1回,9,000円 )。

2回MRワクチンを接種するとなると,2万円近くの費用がかかります。そして,その段階で,確実に風疹抗体価が,HI法で36倍以上に上昇している保障はありません。3~4回の接種で,辛うじて,36倍を越えたなどという症例も経験しております。

従って,やみくもにMRワクチンを,2回接種しただけで,妊娠状態に移行することは,好ましい対処法とは言い難い様に思われます。

これに対処する方法は,MRワクチンを接種した後に,HI法で風疹抗体価を調べることです。

風疹抗体価を調べる際には,医療保険は使用できませんが,さくらクリニックでは,下記の価格で,HI法による,風疹抗体価の測定を行っています。

1回のHI法による風疹抗体価測定:1,000円

仮に,1回目のMRワクチン接種後に,風疹抗体価を測定し,36倍以上であることが確認されれば,2回目のMRワクチンの接種は必要がありません。また,安心して,妊娠に望むことが可能となります。

ここで注意すべきことは,MRワクチン接種から,6週間以上経過してから,HI法による抗体価測定を行うということです。

MRワクチン接種時には,あらかじめ1ヶ月間妊娠状態ではないことを確認の上,接種する必要があります。

また,MRワクチン接種から,2ヶ月間は,妊娠を避けることが必要です。(すなわち,MRワクチン接種から,6週間経過し,そして,HI法により抗体価測定を行い,有意な抗体上昇が認められた状態であっても,その時点で,妊娠状態に移行することは避けなくてはなりません。更に,もう2週間経過し,MRワクチン接種から,十分に2ヶ月間以上が経過した時点では,妊娠状態に移行することが可能です。MRワクチンは弱毒化したウイルスから構成された,生ワクチンであることを忘れてはなりません。)

また,36倍以上の抗体価を有した状態であっても,妊娠中は,人混みを避けることが必要です。

(注意)上記の文章を作成するにあたっては,予防接種の専門家に相談した上で,念入りに作成しています。