院内処方

「東京は立川まで」などと公言する「けしからん」奴等がいる。その立川の更にまた西に位置する,東京の西多摩地域に位置する(株)エスアールエルの細胞病理研究所(羽村市)で,長い間,所長(病理診断の最終責任者)を務めさせて頂いた。

所長に就任する時,偶然にも,当時の院長先生が私の親しい友人であったことから,その後,西多摩病院とも深く関わり,病理診断の合間に,糖尿病や他の疾患の治療に携わるようになった。そして,長い間,病理医としてもさることながら,内科医,小児科医としても,地域医療のために働くことになりました。西多摩病院は,細胞病理研究所から2kmに位置し,車であっという間の距離です。

西多摩病院の外来では,自分に処方して欲しい薬を,院内処方してくれるように,執拗に要求してまいります。

羽村の人達は,院内処方の方が,調剤薬局での処方(院外処方)より,圧倒的に経済的に有利に,薬を手に入れることができることを,皆,熟知しているのです。

それに引き換え,調布の住民の中には,「院内処方」と言うと,「それ,なあに??」と言うような人が大半を占めています。

羽村市やその周辺の地域の人達と比べると,おおむね裕福な人が多い調布の住民は,「院内処方」の「い(院)」の字も知らない。

それどころか,調布市にある,金融・経済の専門家である超一流銀行の銀行員ですら,「院内処方」という言葉すら聞いたことがないというのだから,

開いた口がふさがらない。

さくらクリニックの処方は,「院内処方」です。それは,地域に根ざした医療を目指すさくらクリニックだから,当然のことでです。

ここで,院内処方について説明しておこう。

下記の厚生労働省のホームページを利用して説明しよう。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352.html

平成30年度診療報酬改定説明会(平成30年3月5日開催)資料等について

の中に掲載された「平成30年度診療報酬改定の概要 (調剤) 厚生労働省保険局医療課」の一部を抜粋した資料を下に示します。

🥂🚑✈️ 実際のPDF資料は文末にダウンロードできる形で掲載していますが,下記の資料は,そのPDFの27頁に掲載されています。御確認下さい。

上記の表のポイントを下記に示します。

調剤料等に関して(厚生労働省が例として提示した患者の処方に従って説明します。)

注:3割負担の人は,3,130円の30%(=939円)となります。

実際にはこの様なことは起こりませんが,仮に下記の①②が成立すると仮定した場合が,上記ホームページの右側に提示されています。

①全ての院外処方が,仮に安価な後発品(ジェネリック医薬品)であると仮定すると

②すベての院内処方が, 仮に高価な先発品であると仮定する と

もちろん①②の様な仮説は,実際には成り立たないのですが,厚生省は,供出不明な下記の仮定(A),仮定(B)を論拠に議論を進め(少なくとも,さくらクリニックの処方では,当てはまらない),医療費適正化効果「2,608円」を導きだし,院外処方が推奨されるとしています。(さくらクリニックでも,様々な事情で,院外処方をすることも,希ながらございます。)

(A) 院外処方は,安価なジェネリック薬品の処方割合が67.4%

(B) 院外処方の全てが, 安価なジェネリック薬品の処方割合が35.6%

しかしながら,一般の医療機関,特にさくらクリニックに於いては,上記の仮定(A)(B)は成り立っていません。

薬は,院外処方であろうと,院内処方であろうと,先発品と後発品(ジェネリック医薬品)のそれらの処方割合は不変です。

従って,さくらクリニックの薬を全て院外処方にすると,1年間(12ヶ月)に,薬の代金に関して

3,130円x12ヶ月=37,560円

の余計な出費が生ずることになります。

経済的に恵まれていない人が多い羽村市や青梅市の人達は,このことを身にしみて知っているのです。ですから,西多摩病院の外来では,自分に処方して欲しい薬を,院内処方してくれるように,執拗に要求してくるのです。