ヒトノロウイルスがアルコール消毒薬により不活化されることを実証(佐藤研がScientific Reportsに発表)
介護現場における感染対策の手引き 厚生労働省老健局 令和3年3月
エンベロープとは、コロナウイルスやインフルエンザウイルス、などのウイルス粒子に見られる脂質二重膜の構造のことを指します(ref. 1)。 これらのウイルスにおいて、エンベロープはウイルス粒子の最も外側に位置しており、ウイルスゲノムおよびカプシドと呼ばれるタンパク質の殻を覆っています。
新型コロナウイルスのようなエンベロープウイルスは、エンベロープがエタノール等の有機溶剤や石鹸などの界面活性剤に溶けるためアルコールによる消毒が有効です。 しかし、ノロウイルスはエンベロープを持たないため効果がありません。
エンベロープタイプは、外側にエンベロープと呼ばれる主に脂質からなる膜がありますが、エタノールや界面活性剤などが作用しやすく、膜が壊されていきます。 一方で、非エンベロープタイプは強固なタンパク質の殻に囲まれているため、外からの影響を受けにくく、消毒剤などが一般的に効きにくい傾向にあります。