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PCV13およびPCV15は,65歳以上で原則1回しか接種できません。
PCV13およびPCV15が65歳以上で原則1回しか接種できない理由は、主にワクチンの免疫学的特性と、推奨される接種方法(生涯を通じた接種回数)に基づいています。
- 長期的な免疫持続
PCV13やPCV15のような結合型ワクチン(PCV)は、多糖体ワクチン(PPSV23)とは異なり、長期的な免疫記憶を誘導することができます。そのため、複数回の追加接種の必要性は低いと考えられています。 - 抗体依存性免疫増強 (Booster effect)
PCVはT細胞依存性の免疫応答を誘導し、追加の接種によって強力なブースター効果(免疫反応の増強)が期待できますが、これは生涯を通じて1回の接種(またはPCV後にPPSV23を接種する逐次接種)で十分な効果が得られるというエビデンスに基づいています。 - 国内の定期接種制度
日本の現行の高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種制度では、生涯に1回(その年度の65歳の方など、対象年齢の方)のみPPSV23を接種することになっています。任意接種としてPCV13/15を接種する場合も、この生涯1回という全体的な接種方針の中で位置づけられています。 - 過剰接種による副反応のリスク
ワクチンを短期間に何度も接種すると、注射部位の疼痛や腫れなどの局所反応や全身反応が強まる可能性があり、特に高齢者ではそのリスクが考慮されます。
これらの理由から、PCV13/PCV15は65歳以上の成人に対しては、原則として1回の接種が推奨されており、基礎疾患や免疫不全などのハイリスクな場合を除いて、複数回の接種は行われません。
なお、PCV13/PCV15の後にPPSV23(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカリドワクチン)を接種する「逐次接種」という方法もあり、これは異なる種類のワクチンを組み合わせて免疫効果を高める目的で行われますが、これらも一定の間隔をあけて生涯で計画的に接種されるものです。

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