一般にはINRと呼ばれていますが,正式にはPT-INR(Prothrombin Time-International Normalized Ratio:プロトロンビン時間−国際標準化比)と呼ばれる検査です。
正常値は0.80〜1.20
INR が高いと、出血の危険性が増加します。
INR が低いと、血栓ができやすくなる可能性があります。

脳梗塞の防止などに抗凝固剤のワーファリンを用いた治療が行われます。施設により,様々な基準がありますが,当施設では下記の如き考え方に基づき,ワーファリンの量を調節します。。
①原則として,INRが,1.6~3.0 の範囲となるように調節します。
②軽度の抗凝固効果を目指す場合には,1.6~2.4 の範囲で調節します。
③INRが2.0未満になると血栓症のリスクが高まります。
④INRが2.5を超えると,出血のリスクが高まります。

上記の如き基準を元にワーファリン治療を行って来ましたが,最近は別の抗凝固剤が使用されることが多くなっています。ワーファリン治療は,一部の専門家を除くと,一般医にとっては,過去の治療となりつつあります。
そもそも,来院のたびに採血をされては,患者さんも大変です。

プロトロンビン時間(PT)は、血液に試薬を添加し血液が固まるまでの時間を計ります。しかし,この方法では,様々な検査室ごとに,測定値がばらついてしまいます。従って,どの病院でも,一定した値が出る検査が開発されました。この検査結果は「PT – INR」と呼ばれ,どこの病院で測っても同じ指標で見ることができます。
